アネスラボ・クリニック・コンサルティング

都内現役開業医のブログ。医師のクリニック開業方法、クリニック経営まで幅広く情報発信しています。Twitterやってますので、登録お願いします(ID: @anes_lab_)

<クリニック開業>クリニック開業まとめ

クリニック開業に関わる記事をまとめました。

クリニック開業を実際に目指している方やご興味がある方は是非参考にしてください。

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開業コンセプト

クリニック開業する上でコンセプトの決定は非常に重要です。私は整形内科というコンセプトを中心にしてクリニックを立ち上げました。

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開業適齢期はいつか

クリニック開業を考える場合、それをいつやるべきかも重要です。ライフステージにもよって開業の向き不向きがあると思いますので、しっかり考える必要があります。

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クリニック立地

クリニックの立地はその後のクリニック生命に直結します。より集患できる立地については、こちらの記事で紹介しています。

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損益分岐点の計算

実際に開業準備に入る前に、クリニックの損益分岐点の計算をしておくべきと考えます。概算で良いので計算しておくと、大まかに必要となる患者数が計算で求められるので、来院が見込めるかについて事前にマーケティングしておくと良いでしょう。

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開業準備期間

開業準備を進める上で重要なのがスケジューリングです。経験からは1年半くらいの期間があると安心できるかと思います。

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開業支援サービスと開業コンサルティング

私も利用しましたが、かなり便利です。絶対必要であるわけではありませんが、よほど腕に自信がある場合以外はうまく利用すると良いでしょう。

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クリニック開業届出

クリニック開業する際には開業届出が必ず必要になります。届出は随時できるわけでなく、〆切があるのでよく調べて早めに対応しましょう。

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オープニングスタッフの採用

スタッフ採用が大変重要であることは論を待ちませんが、オープニングスタッフは尚更です。実際の方法についてまとめています。

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クリニック開業時の広告戦略

クリニック自体を広く世間に知らせないと潜在顧客が増加せず、受診に繋がっていきません。開業時の広告戦略についてまとめました。

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クリニック内覧会

クリニック内覧会は、クリニックを周知させる絶好の機会です。ぜひ開業の際にはやってみると良いでしょう。

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クリニック開業時期

クリニック開業時期については全科共通のセオリーはないため、ケースバイケースで決めていくしかありません。外来混雑ピーク時の2ヶ月前くらいに開業するのがベターだと思います。梅雨時期や8月開業は避けた方が無難かもしれません。

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新規個別指導

クリニック開業後の第一関門となる個別指導。事前準備が大変重要です。普段からのカルテ記載がしっかりしていれば問題ないですが、いくつか注意点があるようです。

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<クリニック経営>概算経費特例について

医師あるいは歯科医師は国民の健康を維持する重要な役割を担っているので、国からも簡単に倒産されては困ると税務上優遇されています。今回は、概算経費特例について記事にしていきます。

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概算経費特例とは

概算経費特例とは、租税特別措置法第26条で規定される特例です。

簡単に言えば、社会保険診療報酬が年間5000万円以下のクリニックでは、経費を一定の経費率で計算(=概算経費の算出)して良い、という特例です。

「概算経費」は「実際にかかった実経費」を上回れば、その上回った金額については支出を伴うことなく経費に計上できるという非常に有利な規定となっています。

「概算経費の額」の計算は、社会保険診療報酬額が2500万円以下の部分は72%、2500〜3000万円の部分は70%+50万円といったように段階的に定められた経費率を乗じる仕組みになっています。

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TKC全国会ホームページより抜粋

自由診療を行なっている場合

平成26年から租税特別措置法第26条の適用は、医業(歯科医業)の事業所得の総収入金額が7000万円以下の年分に限定されています。つまり、社会保険診療報酬額5000万円以下、自由診療収入2000万円以下であれば、概算経費率を適用できます。

ちなみに自由診療収入がある場合は、社会保険診療と自由診療それぞれにかかる固有経費と、共通経費とに分けて、さらに共通経費は按分して所得計算します。したがって比率がクリニックによって異なりますので、概算経費が有利かどうかは個別に判断する必要があります。

自由診療割合の算出(簡便法)

自由診療割合を算出するのにポピュラーなのが、簡便法と呼ばれる方法です。

収入割合による計算と、診療実日数による計算の2つがあります。

調整率は診療科目ごとに設定されています。

  • 内科、耳鼻咽喉科、呼吸器科、皮膚科など:85%
  • 眼科、外科、整形外科:80%
  • 産婦人科、歯科:75%

クリニックの収益を考える

概算経費特例を使えると税務上かなり有利ですので、該当する場合は是非とも活用すべきです。社会保険診療報酬が5000万円を突破すると一気に経費率が低下することになるため、クリニックによっては診療報酬年額を5000万円を超えないように、休診にしたりしてうまく調整するところもあるようです。

7000万円を突破する頃には、概算経費特例を使用していた頃くらいに手取り額を取れる計算になることが多いようです。

私としては、売上を伸ばして収益を上げていくことの方が経営上健全であると考えますので、むしろ5000万円の壁を突破しそうなのであれば7000万円を超えるように経営努力すべきかと思います。

概算経費特例に対して不利な例

概算経費特例が不利な場合も存在します。簡単に言えば、経費が多くかかっている場合です。

例えば都心開業で地代家賃が高額である場合などです。

また個人事業であろうと医療法人であろうと概算経費特例は適用できますが、医療法人となって役員報酬を多くとる場合、経費額は大きくなるため、概算経費特例では不利になるかもしれません。

クリニックによって事情は違いますので、税理士に相談するなどクリニック経営戦略を練っておくべきでしょう。

まとめ

クリニックが使用できる概算経費特例についてまとめました。適用の対象が細かく決まっているのと、不利に働く場合があるので一度よく計算しておくことをおすすめします。

<クリニック経営>クリニック経営まとめ

クリニック経営についての過去記事のまとめです。経営戦略はクリニックがあればその数だけありますが、私のクリニック経営に関する意見を記事にしていますので、皆様の参考になればと思います。

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ランチェスター戦略

クリニック経営は漫然とすべきではありませんし、開業前に行なっていた診療スタイルを続けるだけでは失敗してしまう場合があります。周囲といかに差別するか、ということが非常に重要と考えます。一度、自院の戦略について考察をしてみましょう。

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クリニック損益分岐点の計算について

収入と支出のバランスの上に経営が成り立っています。損益分岐点を予め計算することにより、目指すべき患者数や平均単価が決定していきますので、経営を実際に始める前にきちんと計算しておきましょう。

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フロー収入とストック収入

損益分岐点の計算をしたら、次にどのようにして収入の柱を組み立てるかを考えます。フローとストックがあるので、どちらを重視するのか、そしてどうやってそれを達成するのかを考えるようにしましょう。

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概算経費特例について

年間の社会保険診療報酬が5000万円以下であれば適応できる特例があります。経費比率が非常に高く、税務上有利ですので是非活用していきましょう。例外もありますので、自院の経営状況に応じて方針を決定していきましょう。

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広告戦略

自院の診療を、潜在顧客に届かせなければ来院は見込めません。とくに開業時はクリニック自体が知られていないため、広告を重視すべき時期です。きちんと診療内容を知ってもらい、顧客獲得に努めましょう。

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クリニックウェブページ管理方法

クリニックウェブページを業者任せにしていませんか。ウェべページは現代クリニック広告においてかなりのウェイトを占めます。管理方法を学び、より多くの顧客に広告していきましょう。

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新規個別指導

クリニック経営で最初の関門となります。いつ指導されてもいいように、きちんとした診療、カルテ記入、算定を心がけましょう。忙しくなってきたり、診療が安定してくるとついつい疎かになりがちな部分なので、時々自らの診療について見つめ直しましょう。

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<クリニック経営> フロー収入とストック収入

クリニックを経営していると、どうしても季節や天候あるいは曜日などによって来院される患者さんの数が増減します。どんなに患者数が少なくても家賃や人件費は発生するので、常に一定した収入を達成したいものです。今回はフロー収入とストック収入の考え方、実際の活用法について記事にしてみます。

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クリニック経営に関わる費用

費用については他記事に述べましたが、おさらいすると大きく固定費と変動費に分けられます。

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変動費は売上に合わせて「増減する」費用なので、患者数が少なければ費用も抑えられます。固定費は患者数に関わらず「固定で」かかってくる費用であるため、売上が少ないと収支に大きく影響します。

  • 変動費=売上に合わせて増減する費用(売上原価、外注費など)
  • 固定費=売上に関わらず変わらない費用(家賃、人件費など)

キャッシュフローベースで考えれば、借入金の返済も固定でかかるお金なのでこれも固定費に含めて考えていいかもしれません(帳簿上は費用に含められませんが)。

これら固定費を支払っていくのに、売上の増減があると経営者としては心が落ち着かず、ついつい不安になってしまいます。逆に変動がない一定の売上があれば、安心してクリニックを経営していくことができるようになります。

フロー収入とストック収入

経営においては、売上をフロー収入とストック収入に分ける考え方があります。

フロー収入:常に顧客との関係は継続的ではなく、都度顧客と関係を築き、その時々に応じて収益をあげて行く方法

ストック収入:顧客を囲い込み、持続的にサービスを提供しながら長期的に収入を上げて行く方法

もしクリニックが安定したストック収入を確保することができ、ストック収入からの売上が月の固定費を越えることができれば、安定した経営を果たすことができるでしょう。当然、固定費は必要最低限であるべきですので、そちらの見直しも重要です。

クリニックのストック収入

どのクリニックにも共通していて、重要なストック収入が再診料です。

再診患者さんの来院を増加させることができればストック収入は安定してきます。診療所経営の教科書 第2版 によれば、再診率90%を目指すのが理想ということです。私の体感値でも、再診率80〜90%くらいあると、売上が安定しているように感じます。

さらに、ストック収入の平均単価を上げることができれば、安定して売上を伸ばしていくことができます。

単価を上げる方法としては、1)疾患管理に関わる加算を算定すること、2)継続的に医療行為を行うことの2点があります。

当院は痛みのある患者さんが多く来院され、リハビリテーションを提供しているので、再診料、慢性疼痛管理料とリハビリテーション料がストック収入の柱になっています。

さらに柔道整復師による消炎鎮痛等処置で始めたリハビリテーションから、理学療法士を複数名雇用することにより運動器リハビリテーション施設基準を取得して、平均単価を上げるようにしました。

内科系クリニックでは、特定疾患療養管理料や外来管理料がメインのストック収入になるのではないかと思います。定期的な血液検査などもこちらに含まれてくるでしょう。

クリニックのフロー収入

ストック収入に対して、フロー収入のメインは初診料です。

なぜなら初診で訪れる患者数は、クリニック側からほとんど予測ができないためです。初診時には初診料自体が高いことに加え検査も多いため平均診療単価が高いメリットがありますが、(とくに開院直後は)初診の来院数が安定しないことと、時間的に数をさばくことが困難であるため収入の柱としていくのは少々リスクが伴います。高額な処置、検査についても必要となる患者数が多くはないため、数が一定しないことがあります(もちろん広告戦略等で増加は見込めますが)。

当院では初診料、硬膜外ブロック注射がこちらに相当します。一般的には消化管内視鏡検査、健康診断、外科手術などがこちらに含まれると思います。

ストック収入分で固定費の支払いが相殺されていれば、フロー収入は自身の利益とほぼ同意義なので、忙しくてもモチベーションは増加させやすいかもしれません。さらにそこから患者さんとの信頼関係を構築できれば、その後ストック収入にもつながるかもしれません。これはクリニック成長の源泉とも言えるため、フロー収入は経営上重要な意味があります。

このように見てくると、ストック収入はクリニックの安定性に、フロー収入はクリニックの発展性に関わるものであると考えることができます。この両輪を回すことで、クリニックは持続的に成長していくことができます。

どちらを重視するか

正解はありませんが、いずれの場合もクリニックの事業コンセプトをしっかり固めておくべきです。

一般的にはストック収入を重視して、クリニックの安定性を優先することが多いです。再診の場合、診療時間も比較的少なく、運営がしやすいためです。ストック収入を重視してクリニック運営をする場合、ストックの柱となる診療は何かを確立することとその平均診療単価を上げる努力をすべきでしょう。

フロー収入を主軸にすると、顧客獲得コストがどうしてもかかりますし、診療時間も多くかかります。患者行動も読みづらいので、診療単価は高いですが、安定性が低くなります(=ボラティリティーが高い)。フロー収入を重視する場合は、広告費をかけつつもオペレーションを改善して診療時間を極力少なくすべきです。

  • ストック収入重視:何で再来院させるかを確立、平均診療単価を上げる
  • フロー収入重視:広告費をかけ新規顧客を獲得、オペレーション改善

クリニック開業の時点で、目指すべき顧客構造を定め、コンセプトをある程度固めておくと良いでしょう。もちろんここで自院の強み弱み・外部環境・患者層を見極め(=SWOT分析)た上で、それに対して適切な業態であることが望まれます。

まとめ

クリニックのストック収入とフロー収入について記事にしました。両輪を回すことでクリニックは持続的に成長することができます。どちらを重視するかでクリニック経営戦略が大きく変わってくるので、まず方向性を定めてからクリニック運営をすることをお勧めします。すでに開業している方でも、現在の経営を視点を変えて見直してみると次に何をすべきかが浮かび上がることもありますので、是非ご参考にして下さい。

<クリニック開業>開業適齢期はいつか

クリニック開業の適齢期には様々な意見があると思いますが、私の考えをまとめたいと思います。私は32歳でクリニック開業をしているため、ポジショントークになる部分もあるかと思いますがご参考に頂ければと思います。

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そもそも開業は必要か

そもそも論ですが、医師にとってクリニック開業をどう捉えるべきでしょうか。

ひと昔前には、医局で出世するか開業で成功するかというのが医者の成功条件のように語られた時代もあったようです。現在は、フリーランス医師や雇われ院長などの多彩な働き方がありプライベートを重視した働き方も注目されるようになってきています。

私としては、開業は「自分でゼロイチでスタートアップをやってみたい、自分で全てをマネジメントしたい」という気持ちが少なからずなければキツい選択肢ではないかと考えます。

もし消去法的に開業を選択しても、このご時世ですから広告戦略や接遇対策に失敗すれば、売上げが上がらず失敗するリスクを負うことになります。むしろ無駄なリスクは取らず、安定的かつ高収入の勤務医である方が良い場合がありますので、盲目的に開業を目指すのは得策とは言えません。

私は経営とマネジメント、教育に興味があって開業しました。クリニック開業をしてそれらを生の現場で経験することができるため、現状には概ね満足しています。

開業に必要な資格はあるか

クリニックのコンセプトによって、いる場合もあればいらない場合もある、が私の答えです。

資格といって思い浮かんだのは次のものです。

自分自身、麻酔科専門医、産業医、健康スポーツ医を取得しています。

専門医資格は、その医師のアイデンティティあるいは専門分野を表しますし、一定のクオリティを保証する側面もあるため、一般的にはまず取得を考えるかと思います。医師としての選択肢の幅も出ますし、基本的には取ることを勧めますが、アメリカのように加算が付くわけでもないので、あくまでバッヂや勲章的な意味合いでしか効力を発揮しないと思っておいた方がいいです。

さらにその上で、サブスペシャリティ専門医まで取得していれば高い専門性を有していることをある程度保証するものとなるため、専門外来を開設する場合には取得を目指すことになる場合が多いのではないでしょうか。ただし専門医資格と医師としてのスキルは全く相関がないというのが私の持論ですから、常に研鑽に努めるのは専門医資格の有無に寄りません。

そのほか、産業医や健康スポーツ医といった、厚生労働省日本医師会が準備している資格もあります。産業医のアルバイトや、スポーツ関連の患者層が来院されることが期待されるクリニックを開業される場合は取得を考慮してもいいのかなと思います。

 

これらの専門医(あるいはそれに準じる)の資格ですが、クリニック運営のコンセプトによって取得すべきかどうかは別れると思います。

まず分かりやすい部分としては、ニッチな専門外来を開設する場合です。この場合、患者さんも広域から集まる傾向があるため、多くの専門外来と競合します。広域から患者さんを集めるためにはウェブページをはじめとする広告戦略が重要であり、当然医師の取得資格も専門医資格がずらりと並んでいることが望まれます(おそらく競合はサブスペシャリティ専門医まで取得しているケースがほとんどであるため、専門医資格がなければ比較対象から外れてしまいます)。

その反面、一般的な外来を開く場合、患者さんは立地や標榜科で選ぶ場合がほとんどであるため医師の取得資格までチェックしていることはあまり多くないと思われます。もちろん専門医資格があれば言うことなしですが、なかったからといって患者さんが全く集まらないということはないと思われます(実際に専門医取得前に開業したケースや専門外で開業したケースはよく聞きます)。

 

医学博士号も基本的には同様の考え方で、専門外来の場合は「箔が付き」ますし、一般外来の場合はあまり必要性はないように思われます。医師会などで出世したいと考える場合は、取得必須なようです。もちろん医学博士号は、医学研究を基礎から学び、考察を組み立て学術的に物事を捉えるという題目がありますのでそれを身に付けたいという方は取得を考えるのは全く問題ないと思います。しかし倫理上の問題から市井のクリニックで介入研究を行うのは非常に困難ですし(不可能とは言っていない)、正直言って集患にはあまり効果がないです。

ちなみに民間資格として簿記やFPなど、ファイナンスに関わる資格を開業前に取得される先生もいらっしゃるようですが、これらはあまり実務的ではないので個人的には不要と思われます。私自身はテキストを使って中小企業診断士と簿記の勉強はしましたが、資格取得はしていません。

開業資金

開業資金をいかにして賄うか、によっても開業のタイミングは変わります。

当然若ければ手元資金は限られてくるので、銀行融資が必要となります。できる限り借金はしたくないと考えれば自己資金が必要となるため、ある程度年齢を重ねてからの開業となるかもしれません(一部、例外はあるようです)。

 

私個人としては開業を行うなら、銀行融資を引っ張る方が良いと考えています。それは手元資金の量に関わらず同様です。

手元にキャッシュがあれば、事業への追加投資や他分野への投資もできますし、不測の事態へも対処がしやすいからです。例えば、不動産など他の投資ポートフォリオを持っておくことができれば、リスクを分散できるでしょう。急に病気をしてクリニックを閉めても、その間の運転資金としても利用できます。

また銀行融資を申し込む場合、必ず事業計画書を作成しますので、専門家の目から見て事業計画が妥当かどうか判断してもらえる部分もある種のメリットと思われます。

銀行融資の最大の利点は、事業投資に資金的にも時間的にもレバレッジを効かせることができることです。元手がほとんどなくても銀行融資があれば売上を生み出す仕組みを作り出すことができますし、同額を貯蓄により達成しようとすれば通常は多くの年月を失います。

ある程度年齢が若ければ銀行も将来性(成功するかではなく、やり直しができるか)を見越して、頭金がほぼゼロでも多額を融資してくれます。もし事業に失敗しても、若ければやり直しがききやすいですからね。

余談ですが、医師の資格、年齢(若い方が有利)、専門医資格保持で融資額上限がある程度算出されると小耳に挟んだことがあります。当然、過去に信用を毀損する事故があれば、その限りでありませんが。

 

年齢がいってから銀行融資を受けようとしても金利や上限額に関する条件が厳しくなったり、借金の返済を滞らせないためいつまでも引退できなかったりするので、自己資金をある程度入れた形で無理のない開業をするべきかもしれませんね。あるいは超軽装開業をされる先生もいらっしゃるようですね。

ライフステージ

お一人様開業の場合は、完全に自分の人生計画に沿って開業すれば良いですが、結婚して家族とくに子供がいる場合はライフステージによって開業に適するかどうかがかなり変わります。

自宅の購入、子供の教育資金、配偶者の働き方あるいは収入等により資金計画はかなり変わってくるため、ライフステージとともに必要な資金を予め綿密に計算しておくべきでしょう。

また年齢を重ねれば基本的に体力は落ちていきます。クリニック開業や経営は、思ったよりも肉体的にも精神的にも削られますので、若くて元気なうちに苦労をしてクリニックを運営するシステムを作り上げる方が後々楽だと思います。

子供の代に負の遺産でクリニックを相続することがないようにしたいものです。 

私の考える開業適齢期

まず保険医療機関として開業する場合は、保険医としての登録が必須であるため初期研修を修了している必要かあります。実際に開業の届出をする際は保険医登録票と臨床研修修了証の提出が求められています。そのため、医学部卒業直後に開業するという選択肢はほぼ存在しないといっても過言でないと思います。

 

私は2年間の初期研修と約7年間の麻酔科医師としての経験を積む中で、「人を殺さない技術」「ぱっと見で患者さんの生命の危険度を判断する嗅覚」は磨かれていったように思います。こうした現場感をある程度磨いておければ、クリニックで不測の事態が起きた際でも慌てず対処ができるのではと思います。

例えば抗生剤点滴をしてアナフィラキシーショックを起こしたとき、適切に対応できなければ命に関わりますよね。先輩医師がたくさんいる環境で、危機的状況の擬似体験をたくさんさせてもらうことでそれらの経験は自らの血となり肉となっていき自らを助けてくれると思います。

ただ高次医療機関とクリニックでは、提供する医療の内容は大きく解離しており、長らく高次医療機関でスキルを積んでもクリニックではそれを役立てられないということも多くあります。クリニックでの必要十分な診療スキルが身についてからは、高次医療に見切りをつけてクリニック開業を始めてしまう方が、結局地域で求められている医療技術に精通することができるようになると思います。

医師として場数を踏んでから開業した方がベターであることに変わりはありませんが、例えば医療の入り口として専門医への振り分け役を担うクリニックを目指す場合などは必ずしも専門医資格は不要なのかもしれません(総合診療、家庭医療として、それを専門とする場合は資格はあっていいかもしれませんが)。

 

ということで、私は麻酔科専門医として「人を殺さない技術」を身に付け、大学病院のペインクリニック外来で一般的な「痛みを取る技術」を身に付けた32歳にクリニック開業に至りました。

逆に私の弱みは外傷診療で、一般病院の救急外来で経験するような「ひとまず必要だったら専門医へつなぐ治療」しか身につけていない点です。現在も勉強を続けていますが、外科治療が必要かどうかという部分をフォーカスして学び、必要と感じたらすぐに高次医療機関へコンサルトさせてもらっています(患者離れをよくする努力をしています)。下手に自信が出てくると、ずっと患者さんを手元に置いてしまう傾向があります。もしそれでどんどん病態が進んでしまうようなことがあれば、誰も得しません。

2019年6月現在、Twitterで3年目開業の先生が話題になっていました。彼の主張する「クリニック経営に必要な要素は、上から立地医師の接遇スタッフの接遇ときて最後が医師のスキルである」と言う言葉は議論を呼ぶかと思いますが、クリニックコンセプトを明確に打ち出していることときちんとした保険診療を行なっていることは評価に値します。また複数医師も非常勤で出入りしているため、技術的なリスクも分散されていますし上手に経営されているなとむしろ感心しました。しかし万人が目指す開業方法ではないなとは思いました。

まとめ

開業の適齢期について私の考えをまとめました。開業というリスクをとるなら若いうちがいいですし、医師としてのスキルを磨いていくにはある程度の年数は必要です。これらはトレードオフの関係にあると思うので、個々人がどちらを優先するかでいつ開業すべきかは決まってくると思います。ひとつ言えるのは、リスクを取ることを極端に恐れて、何となくどんどん開業を先延ばしにしてしまうのは思考停止と同じことです。この先の未来、2025年あたりから外来患者数も減少に転じるようですから、先行者有利の原則も働きやすいと思いますので、迷ったら始める方をお勧めします。

<クリニック経営>新規個別指導について

クリニックを新規開設すると、厚生局による個別指導が行われます。クリニック運営していく中で、最初の関門になります。私自身、最近乗り切ったのですが、準備に追われて大変だったので、その経験をまとめたいと思います。 

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新規開業に伴う個別指導とは

健康保険法第73条、国民健康保険法第41条および高齢者の医療の確保に関する法律第66条にその根拠があり、新規開業のクリニックは必ず経験する必要があります。管轄の厚生局まで出向いて、カルテやレセプトを開示して様々な指導を受けます。

個別指導の目的は、「保険医療機関及び保険医療療養担当規則等をさらに理解し、保険診療の質的向上及び適正化を図ること」とされています。確かに準備していく中で、普段の診療を見つめ直すきっかけにもなりますし、お国の方針と大幅に解離した診療をしていないかのチェックができるという意味では大変有意義です。

個別指導の結果、「概ね妥当」「要修正」「再指導」の3段階に分類され、再指導の場合は1年後に指導が行われます。再指導となると用意する患者リストが増えるという話も聞きますので、かなり厳しい戦いになると思います。

個別指導の流れ

個別指導は以下の流れで進みます。

  • 事前通知
  • 直前1週間に患者リスト到着
  • 個別指導当日
  • 2ヶ月後に結果通知

厚生局からまず手紙が届きます。個別指導の概要と目的、日時、場所などが書かれた手紙が入っており、「ついにうちにも来たか」と臨戦態勢となります。ちなみにこの指導は断ることはできず、あえて別紙で必ず参加する必要があるという旨の注意書きも添えられています。

個別指導の丁度1週間前になると、当日持参する書類の患者リストが届きます。どのクリニックも10名の患者がリストアップされ、その方のカルテ、検査データ、画像、帳簿又は日計表、領収書及び明細書(見本)などを印刷して用意する必要があります。直前1週間は書類の準備に追われます。当院はリハビリも行なっているので、リハビリカルテ、実施計画書なども合わせて持参しました。準備した具体的な内容は、準備編に譲ります。

当日は書類を持参して指定された時間に、厚生局に出向きます。私たちのときは、合計16医院が同時刻に指導を受けました。呼ばれても現れないクリニックが1院あったようでした、その後どうなったかは分かりません。

指導は、厚生局のスタッフが1名、指導員の先生が2名の合計3名で行われます。頭数で負けないぞ、と私たちも3名(院長、医事課主任スタッフ、医事課スタッフ)で参加しました笑。開設者(あるいは管理者)は必ず出席する必要があります。時間は約1時間とってありますが、クリニックによっては1時間半かかったという話も聞きます。当院は非常にスムーズに進み、だいたい40分で終了できました。

最初に厚生局から書類の不備がないかの確認がちょこっとあり、その後患者リストに沿って指導員の先生から様々な質問が飛んできます。2名の指導員の先生が交互に患者さんについての質問をしていくスタイルでした。具体的な内容は指導内容編で詳述します。指導の最後に指導員の先生方から総括があり、なんとなくの合否結果が伝えられます。指導医の先生方からは「このまま頑張って下さい」とおっしゃって頂けたのでひとまず安心しました。

2ヶ月後に正式な結果が手紙でクリニックに届いて、「概ね妥当」であれば問題ありませんが、残念ながら査定にひっかかり返戻を求められる場合は精算する必要があります。再指導の場合は、次年度に指導となるようです。

個別指導の準備

個別指導で提出を求められる書類は以下の通りです。

  • 診療録(電子カルテの場合、全て印刷)
  • 看護記録
  • リハビリテーション関係書類
  • デイケア等に係る関係書類
  • 電子カルテ運用規定
  • 検査データ
  • 画像診断フィルム(当院はデジタル化しているためCD-Rに焼いて持参。当日はそれでとくにお咎めなし)
  • 患者ごとの一部負担金徴収に係る帳簿又は患者ごとの内訳のある日計表
  • 領収書及び明細書(見本)
  • 「保険医療機関の概要」(事前に送られてくるアンケート)
  • 保険医登録票(原本を持参する、医師免許ではないので注意)

私たちはリハビリテーションを提供しているので、リハビリカルテやリハビリテーション総合実施計画書を持参しました。レントゲン照射録が必要なのではないか、という懸念があり急遽作成して持って行きました(が、必要なかったようです)。

電子カルテを使用している場合、運用規定の提出を求められます。厚生労働省よりガイドライン第5版が発表されており、そちらに沿った作成が求められます。ちなみに私はgoogle先生から引っ張り、急ごしらえで作成しました。パスワードの変更に関する記述がなく、突っ込まれました。

事前アンケートのようなものが、通知に添えられているのでそちらも記入して忘れずに持参します。レセプト点検を誰がやるのか、社員受診の場合の自己負担額はどうしているか、電子カルテのパスワード更新はどうしているか、など細かく聞かれます。

ちなみに記録が膨大になる場合、台車の利用は許可されていますが、台車を用いる際は事前連絡が必要なようです。

個別指導の指導内容

クリニックの診療内容によるとは思いますが、当院が指摘あるいは質問された内容について列記します。

  • 診療時間、診療日時、標榜科の変更について(厚生局より)
  • 電子カルテ運用規定にパスワードに関する記載がない
  • カルテの追記、削除について
  • 症候名ではなく病名をつけること
  • 検査をした場合の疑った理由、および検査結果により導かれる診断に至る記載の有無
  • 問診票の内容をカルテ反映させたのが、スタッフの名前になっているが医師の方が望ましい
  • 特定疾患療養管理料をとる場合に、細かい指導内容を記載すること(かなり具体的に記載するようにと指導されました)
  • 診療情報提供料をとる場合、宛先が必須

当院は指導1ヶ月前に診療時間、日時、標榜科を変更していました。私の認識では、地域の保健所に届け出れば問題ないと思っていましたが、開業時の情報と齟齬がある場合に突っ込まれます。指導翌日に変更届を提出しました。

電子カルテ運用規定にパスワードの項目を設けておらず、突っ込まれました。2ヶ月以内に変更する必要があることと、英数字8文字以上で設定することなどが記載されている必要があるようです。

お恥ずかしい話ですが、個別指導に合わせて電子カルテの追記、削除を行いました。自らの伝手で集めた情報では、10人中9人の開業医で追記については突っ込まれなかったと聞いていたためです。カルテを印刷すると、追記した時間がバッチリ記載されており、指導員の先生にがっちり突っ込まれました。訴訟があった場合、問題につながる可能性があり、避けるべきとのことでした。「別にそのままの記載で問題ないのに」とおっしゃって頂き、ひとまず胸を撫で下ろしました。追記、削除はせめて2-3日の間に、とのことです。

症候名ではなく、病名をつけるようにと言われました。「●●痛」などで病名がついている患者について指摘されました。「疑い病名」等も転帰を記すように指摘されました。

血液検査やレントゲン検査を行う場合、行う根拠になる所見の記載を求められます。また検査結果がカルテに載っていることと、その結果の解釈についても記録がないと突っ込まれます。幸い先輩開業医に事前に伺っていたため、追記しておきました。結果の解釈については、検査日に記載しておきます(判断料を算定しているため)。

当院は問診票をカルテ記録に残すのに、データ取り込みを行う必要があるのですが、医療的な内容を含むので医師の名前で取り込まれているのが望ましいとのことでした。

特定疾患療養管理料は、当院ではほとんど取りませんが、たまたま1名該当がありました。「減塩、運動指導した」などは記録としては不十分なようで、減塩は食塩換算で1日何グラムにしたか、運動は何メッツのものかなど記録しておくように指導されました。

診療情報提供書を作成する場合、必ず宛先を書くようにと指導されました。私たちは必ず書くようにしていたため、問題にはなりませんでした。

クリニックがあれば、その数だけ注目ポイントがあるのでしょうが、私たちのクリニックでコメントがあったのはこの辺りでした。

ちなみに神経ブロックの施行頻度、超音波検査の画像による記録(カルテ記載は必要)、捻挫症へのシーネ固定、レントゲン照射録など突っ込まれると思っていた箇所についてはスルーでした。レントゲン検査の照射録ですが、知り合いに聞いてもこの部分でもめたことはほとんどないようです。

まとめ

新規個別指導は、開業医には避けて通れないビッグイベントです。しかも準備には1週間しか時間が取れず、臨床やりながらの準備には骨が折れます。カルテの追記や削除を行うと指導員に突っ込まれますので、基本は普段の臨床から遅滞なく内容の濃いカルテ記載をしておくべきだと思います。当日欠席したり、あまりに問題のある診療内容ですと、再指導や最悪のケースでは立入り調査になる可能性もありますので注意しましょう。しかしながら、クリニックの診療を見つめ直すきっかけになるので概ね有意義であると思います。

 

クリニックウェブページ管理方法まとめ

別記事でクリニックの広告戦略について書きましたが、ウェブ戦略の重要性については異論はないと思います。ウェブページを作成するクリニックは多いと思いますが、管理運営を業者任せにしていたり、作成してから放置したりしている方もいるのではないでしょうか。今回は、私がクリニックのウェブページ管理に利用しているサービスをまとめます。私は一介の開業医なので、技術的な細かいことは、より詳しいサイトを参照してください。

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SEO対策とは

ウェブ対策でまず話題に上がるのが、SEO(Search Engine Optimization)になると思います。検索エンジン最適化のことですが、具体的にはどういうことなのでしょうか。

ヒトがウェブページにアクセスする場合、ほとんどの場合、検索エンジンGoogle, Yahooなど)にキーワードを入力して検索し、検索上位に表示されたページを見ることになるでしょう。

実際、自然検索の1位に表示されれば、クリック率が21.12%ですが、2位では10.65%、3位は7.57%となり、2ページ目ではほとんどクリックされることはありません。

つまり、検索に引っかからなければ、インターネット上ではクリニックが無かったことになってしまうわけです。だからこそ、検索上位に表示させるようにしのぎを削るのですね。

ざっくり言うと、クリニックのウェブページが自然検索の結果として表示されるとき、その順位をあげるための対策のことを、SEO対策と言います。

現行のSEO対策に有効な手段

Googleは常にサイトの信頼性を評価するアルゴリズムを常にアップデートしています。

大幅なアップデートが大体年に1回くらいのペースで行われ、その度に検索順位に変化が起こります。

かつては、外部リンクをたくさん貼ることでサイトの信頼性が上がり、上位表示されていたこともありましたが、現在それはほとんど無効と言って良いような状況になっています。

また2018年8月のgoogleアルゴリズムのアップデートで、かなり順位の入れ替わりが起きたようです。私のサイトも大きく順位を落としてしまったので、そこからウェブサイトの信頼性を高めるために改訂を重ねています。

このように創造主たるgoogleが新たなアップデートを生み出してくるため、小手先の技術に頼ったSEO対策は無効と言って良い時代になりました(ブラックハットSEOの終焉)。

こんな時代にウェブサイトの信頼性を上げるためには、とにかくサイトを利用する方の利便性を上げることと、自分の言葉で表現した情報の充実に努めることです。

利便性を上げるには、サイト構造自体を見直して、内部リンクを使ってツリー構造にしたりするのも良いかもしれません。

コンテンツは、無駄にキーワードを詰め込むようなものでなく、真に患者さんのためになるような情報を発信していくことで、googleからも評価されるようにしましょう(ホワイトハットSEOの隆盛)。

しかし重要なこととして、googleが公表しているガイドラインに出ているタブーを犯すとサイト自体がペナルティを課されて順位を大幅に落とす危険があるので注意してください。

support.google.com

Google search consoleとは

実際に私がサイトを管理する際にはGoogle search console(通称サチコ)を利用しています。

このサービスに自院ウェブサイトを登録すると、クリック数の推移や、検索キーワード毎のウェブサイトの順位、ウェブサイトに流入してくる検索キーワードなどを閲覧することができます。

最初、ウェブサイトを立ち上げたばかりだと、検索数が全然増えずにヘコみますが、こちらで得られる情報を元にサイトのコンテンツを見直したりするのがオススメです。

ざっくりとした自院ウェブサイトの検索エンジン内での立ち位置を知るのに有用なサービスだと思いますので、是非利用してみましょう。

Google analyticsとは

 Google analyticsは、サチコよりも詳しく、ウェブサイトを利用した方の情報を集めることができます。

こちらも自院ウェブサイトを登録すると、利用を開始できます。

どの検索エンジンから、どんな端末を使って、どれくらいの時間サイトを閲覧したかなど、非常に細かく情報を集めることができます。

サイト内のフロー(ページからページにどのように移動していったか)をまとめたフローチャートが非常に見やすく、サイト構造を考える際にもとても有用です。

まとめ

私個人ではこの2つのサービスを利用してウェブサイトを管理運営しています。いずれも無料にも関わらず、非常に機能が優れていますので、是非利用されることをオススメします。もちろん他にもたくさんのサービスがありますので、いろいろ試されるのがよろしいかと思います。

クリニック開業時の広告戦略まとめ

クリニックを開業をする際、あるいは経営する際にクリニックの認知度を上げるための広告戦略は重要です。今回はクリニック広告について、私が実際に行ったものについてまとめます。

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内覧会折り込みチラシ

開業以前に出した広告のうち、最初に行ったものが折り込みチラシでした。クリニックの入っている医療モールで同時期に皮膚科が開業することになっていたため、共同で内覧会の折り込みチラシを作成しました。

一般的なA4サイズの片面カラー印刷で、内覧会の日時とクリニックの概要を書いた簡単なものだったと記憶しています。

折り込みチラシですから新聞に挟んで配るのですが、新聞会社によって顧客数や顧客分布が微妙に異なるため複数の新聞社に申込みます。

私のケースでは、毎日新聞朝日新聞日経新聞に折り込みを依頼し、3km四方くらいの範囲に出したと思います。

皮膚科と折半だったので相場よりは安上がりでしたが、たしか20万円くらいかかったと思います。内覧会を知らせることのできる数少ない手段であるため、コストパフォーマンスは高いと思います。

クリニックホームページ 

2019年現在、患者さんがクリニックを探すときにはほぼウェブ検索を利用します。

新規開業でホームページ を作らないのは、このご時世ではナンセンスであると言えます。

様々なウェブサイト製作会社がありますが、各社比較し医療分野に明るい会社に頼むべきでしょう。値段は高くなりますが、医療分野特有の医療広告規制などについて詳しくないと後々苦労することになるかもしれません。

医薬品卸会社によっては非常に安価に作成しているところもあるようなので、探してみるとよいかもしれませんね。

私は開業前に時間があったことと、コスト削減のためにホームページは自作しました。WIXと呼ばれるCMSを使うと、HTMLの知識などはなく比較的簡単にサイトが構築できます。

CMSではWordpressが圧倒的に有名ですが、サイト作成に取り掛かったときに直感操作のしやすさと海外で1億人が使っているというキャッチフレーズでWIXに決めました。

ウェブサイトを自作するとSEO対策は自分で行わないといけないため、検索上位を取るのはかなりきついのですが、その分サイト運営するための知識が身につき経験値を積むことができます。

具体的にはgoogleアナリティクスやgoogleサーチコンソールなどを使ってウェブサイトの管理や分析を行いますが、これについてはまたの機会に記事にししようと思います。

クリニックパンフレット

クリニックの特徴についてまとめたパンフレットを作成するのはすごく有用です。

このご時世で紙媒体かよ、と侮るなかれ。

中年以降の患者さん(とくに女性)は、話のネタに飢えているので、パンフレットを渡しておくと勝手にお友達に宣伝しておいてくれます。

内覧会で配るのはもちろんですが、開業以降も初診患者さんに手渡ししたり、エレベーターなどに置いたりしてどんどんパンフレットを拡散していきます。

近隣の医療機関などにご挨拶に伺うとかにも利用できるので、ある程度まとまった数のパンフレットを用意しておくと良いと思います。

パンフレットには医院の特徴のほか、院長経歴や、クリニックの売りポイントを散りばめます。名刺代わりになるため、広告代理店におまかせにせず、きちんと自分の言葉で文章を書くと良いと思います。

医療モール入り口サイン

私のクリニックは医療モールに入っているため、モールの入り口にサインを出すことになりました。

物件オーナーからは、他のクリニックと同様の書式でサインを出せという要望がありましたので、好き勝手なデザインではできませんでした。医療モールではこのようなケースが多いと思います。

クリニック名や休診日などを表示しておく簡単なサインだったのですが、広告会社から余白にクリニックの特徴を出すように言われました。

他のクリニックはカッコよく最新機器の写真を出したり、特定検診をやっていることなどについて書いてありました。

私は通行人の目に留まりやすく、誰がみても何が得意か分かるようなものがよいと、『腰痛』『肩痛』『首の痛み』とデカデカと表示することにしました。

当院では初診の問診票で来院動機のアンケートをとりますが、最多のホームページ経由に続き通りがかりの方もかなりの割合を占めており、サインを目にして来てくれた患者さんが多いことがわかります。

やっぱり見た目にカッコいい看板にしたくなりますが、潜在患者さんが1人でも多くなる方が有益ですので、実を伴ったサインにするべきと考えます。

人材募集広告

当院のスタッフ採用には、とらばーゆジョブアイデムを使いました。

前者はウェブメインになるので、比較的若い方が広域から閲覧する傾向があります。一方後者では、上述した折り込みチラシのような効果をもたらすことがあります。

実は世間には別に職探ししているわけでもないのに、折り込みの求人チラシは見る方が結構多くいるらしいのです(税理士社長談)。とくにある程度年配の方に多くいる傾向があるそうです。

人材募集広告で万が一よい人材が採用できなくても、副次的にクリニックの認知度は上がります。とくに高齢の潜在顧客の増加に繋がる可能性があるため、全くの無駄にはならないのではと考えます。

まとめ

私がクリニック開業時に行った広告は以上の通りです。ウェブ戦略が非常に大切なのは言わずもがなですが、実はアナログな戦略がじわじわボディーブローのように効いてくるので、ないがしろにせずに取り組んでみてください。